副業収入が増えたら法人化すべきか:タイミングと節税効果【2026年版】
「年収700万円になってきたけど、そろそろ法人化した方がいいのか?」
副業が軌道に乗り始めると、この疑問が頭をよぎる。個人事業主のままでいいのか、法人化した方が得なのか。
結論から言うと、法人化すべきタイミングは「所得が700万円前後を超えてきたとき」が目安になることが多い。ただし状況によって大きく変わるため、今回は判断基準を整理する。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談は税理士に確認することを強くおすすめする。
法人化のメリット
1. 税率が下がる可能性がある
個人事業主の所得税は「累進課税」で、所得が増えるほど税率が上がる。所得が700万円を超えると所得税率は23%になり、さらに住民税10%を合わせると33%の税負担になる。
法人税率(中小企業)は一般的に:
– 年間所得800万円以下:15%
– 800万円超:23.2%
単純計算で所得700万円〜800万円あたりから、法人税率の方が有利になるケースが出てくる。
2. 給与所得控除が使える
法人を作り、自分を代表取締役に就任させて給与を受け取る形にすると「給与所得控除」が使える。これは副業・個人事業では使えない控除だ。
たとえば年収700万円の場合、給与所得控除は190万円。これが丸々控除として機能する。
3. 経費の範囲が広がる
法人は個人事業主より経費として認められる範囲が広い。役員社宅(家賃の一部を法人経費に)、家族への給与支払いなど、個人事業主では難しい節税手法が使えるようになる。
4. 社会的信頼度が上がる
「株式会社〇〇」の名刺を持てる。取引先によっては法人格がないと取引できないケースもあるため、ビジネスが広がる可能性がある。
法人化のデメリット
1. 維持コストがかかる
法人を維持するには固定費が発生する:
| コスト | 目安 |
|---|---|
| 法人住民税(赤字でも払う) | 7万円/年〜 |
| 税理士費用 | 30〜100万円/年 |
| 社会保険料(厚生年金等) | 収入の約30% |
| 決算書作成費用 | 税理士費用に含む場合も |
所得が低い時期に法人化すると、むしろ維持コストで逆ザヤになることがある。
2. 経理・事務作業が複雑になる
個人事業主の確定申告と比べ、法人の決算は複雑だ。税理士なしで自力でやるのはかなり難しい。
3. 赤字でも法人住民税がかかる
個人事業主は赤字なら所得税ゼロだが、法人は赤字でも均等割の法人住民税(最低7万円/年)がかかる。
法人化すべきタイミングの目安
一般的によく言われる基準は以下の通り:
法人化を検討すべきタイミング:
– 副業・事業の年間利益が700万円を超えてきた
– 法人格があれば取れる案件が増える状況にある
– 家族に給与を払いたい(所得分散したい)
– 社会保険料の節税を考えたい
個人事業主のままで良いタイミング:
– 年間利益が700万円未満
– 本業があって副業所得が300〜500万円程度
– 事業がまだ安定していない
– 経理・事務作業の負担を増やしたくない
法人化の手続きの概要
法人化(株式会社設立)の流れ:
- 商号(会社名)を決める
- 定款を作成・公証役場で認証(5万円程度)
- 資本金を払い込む(1円から可能だが最低でも100万円程度が現実的)
- 法務局に設立登記(登録免許税15万円〜)
- 税務署・都道府県・市区町村に届出
合同会社(LLC)という選択肢もある。株式会社より設立費用が安く(登録免許税6万円〜)、決算公告が不要。個人でひっそり副業を法人化したい場合は合同会社が便利。
まとめ
法人化は万能の節税手段ではない。タイミングを誤るとむしろ負担が増える。
「副業年収が700万円を超えてきた」「取引先が法人格を求めている」この2つが揃ってきたとき、税理士に相談してみるのが良いタイミングだと思う。
副業の収益管理・帳簿管理についてはfreee会計の使い方の記事も参考にしてほしい。個人事業主のうちからしっかり帳簿をつけておくと、法人化するときにもスムーズに移行できる。
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