個人事業主になって後悔した?3つのリアルな壁と、それでも続けている理由
「個人事業主 後悔」で検索してこの記事にたどり着いたあなたへ。
先に結論だけ言います。後悔する瞬間は、あります。 嘘はつきません。
でも、会社員に戻りたいかと聞かれたら、今の僕はたぶん戻りません。その「両方とも本当」を、できるだけ正直に書きます。
キラキラした独立ストーリーでもなく、「やめとけ」と脅す記事でもなく、夜中にひとりで不安になったとき用の、リアルな話を置いておきます。
僕が個人事業主になって後悔した瞬間
自己紹介がわりに、僕の話を少しします。
大学を中退して、専門学校に入り直し、奨学金を返しながらエンジニアとして社会に出ました。その後、いわゆる「ハズレ案件」に当たって心を病み、会社を離れました。そこから個人事業主として独立しています。
独立してから、はっきり「後悔した」と思った瞬間がいくつかあります。
壁1:確定申告前夜の絶望
最初の確定申告のとき、領収書の山を前に泣きそうになりました。
経費って何を入れていいんだ。このランチは経費か。この交通費は案件Aか案件Bか。freeeの画面を前に、3時間かかって5件しか登録できない。
会社員時代は、年末調整で紙1枚書けば終わっていた。あの「自動で終わる」感覚は、独立すると二度と戻ってきません。
今でこそAIツールで半分自動化できていますが、最初の1年は本当に、「これで節税できてるんだろうか」と不安なまま期限ギリギリで提出する日々でした。
壁2:急な発熱=収入ゼロ
独立して1年目の冬、インフルエンザにかかりました。
熱が出た瞬間、頭に浮かんだのは「今週分の売上、どうしよう」でした。体のことより、お金のことを先に考えてしまう自分に愕然としました。
会社員なら、有給がある。休んでも給料は出る。個人事業主には、それがない。
風邪を引くたびに、「体調管理も仕事のうち」という言葉の意味を、痛いくらい理解していく。これは想像以上にメンタルに来ます。
壁3:「肩書きが消えた」感覚
これが一番、言語化が難しかった。
独立直後、同窓会に行ったとき、「今なにしてるの?」と聞かれて、一瞬言葉に詰まりました。
「◯◯会社の△△です」と言えていた頃は、相手がすぐに反応してくれた。でも「個人事業主です」だと、「あ、そうなんだ……」で会話が止まる。
信用も、カードのランクも、住宅ローンの審査も、ぜんぶ下がる。肩書きで生きてきたわけじゃないつもりだったけど、会社の看板にどれだけ守られていたかを、失ってから気づくんです。
それでも会社員に戻らない3つの理由
ここまで読むと「やっぱり個人事業主はキツい」と思うかもしれません。
でも、本当に正直に言うと、会社員に戻るボタンがあっても、たぶん押しません。 その理由も、3つだけ。
理由1:「時間」が自分のものに戻った
朝、目が覚めた瞬間に、その日の予定を自分で決められる。
これがどれだけ大きいか、会社員のときは想像できませんでした。通勤電車に揺られていた1時間半を、今は本を読んだり、散歩したりする時間に置き換えられています。
子どもの体調が悪いとき、満員電車を降りなくていい。親が入院したとき、1週間休みをもらう気まずさがない。自分の時間を、自分の意思で使えることの価値は、お金では測れません。
理由2:収入の「天井」が外れた
会社員時代、「来年もし昇給しなかったら」と毎年3月に怯えていました。
個人事業主になって、昇給はなくなりました。代わりに、自分の動き方次第で、来月の売上が変わるという構造に変わりました。
不安は減ってはいません。形が変わっただけです。でも、「他人の評価に依存する不安」から「自分の行動に依存する不安」に変わったのは、大きな違いでした。後者のほうが、まだ手が打てる。
理由3:「合わない人」と付き合わなくていい
これが一番、精神衛生に効きました。
会社員時代、毎朝「今日も上司と話さなきゃ」と憂鬱になっていた時期があります。
個人事業主になって、合わないクライアントは断れるようになりました。もちろん、最初の1〜2年は断る余裕がなかったので、理想論ではあります。でも、ある程度仕事が回り始めてからは、「この人とは続けられないな」と思ったら、次の契約更新をしない、という選択肢が持てる。
精神を病んだ経験のある僕にとって、これは収入以上の価値でした。
後悔と納得は、両立する
個人事業主になって後悔した?と聞かれたら、こう答えます。
「後悔した瞬間はある。でも、選び直しても同じ道を選ぶ。」
矛盾しているようですが、そうじゃないんです。
寒い冬の夜に「会社員だったら今頃ボーナスなのに」と思うことと、満員電車の朝に「あの毎日には戻りたくない」と思うことは、同じ脳の中で同時に成立します。
独立とは、幸せになることではなく、「自分の選択で不幸になる覚悟を持つ」ことかもしれません。誰かのせいにできなくなる代わりに、誰かに支配されない人生が手に入る。
これから独立を考えているあなたへ
もしあなたが、今まさに「会社を辞めようか」と迷っているなら、3つだけ伝えさせてください。
- 生活費の6ヶ月分の貯金を先に作る。これがないと、最初の数ヶ月で精神が折れる
- 健康診断だけは会社員のうちに受けきる。独立後は自腹で数万円かかる
- 独立した瞬間の「孤独」を甘く見ない。同業のコミュニティに1つ入っておくと救われる
後悔する瞬間は、きっとあります。
でも、その後悔すら「自分で選んだ」と言えるなら、それは会社員時代の「他人のせいにできる不満」よりも、たぶん健康的です。
あなたの選択を、遠くから応援しています。
関連ツールを見る
この記事で紹介したツール・サービスをまとめてチェック。
![]()