MakeはZapierと同じ「ノーコード自動化ツール」だが、無料枠が圧倒的に広く、視覚的にわかりやすいシナリオ設計ができることから、2026年現在、副業・個人事業主の間で急速に普及している。
この記事では、Makeを使ったことがない方向けに「登録からはじめての自動化シナリオ完成まで」を丁寧に解説する。
Makeとは何か?ZapierやIFTTTとの違い
Makeはチェコ発のiPaaS(Integration Platform as a Service)で、旧称は「Integromat」。2022年にブランド名を変更してから利用者が急増した。
Zapierとの最大の違いは価格と柔軟性だ。
| ツール | 無料タスク数 | 料金(有料最安) | 視覚的設計 |
|---|---|---|---|
| Zapier | 月100タスク | $19.99/月 | シンプル |
| Make | 月1,000オペレーション | $9/月 | フローチャート型 |
| n8n | セルフホスト無制限 | 無料〜 | 高度なフロー |
Makeは「オペレーション」という単位で課金されるため、複数のステップを持つシナリオでもコストを抑えやすい。たとえばGmailの新着メールをチェックしてSlackに通知する程度なら、無料プランで月に何百回も実行できる。
視覚的に「ブロックをつないでいく」設計方法は直感的で、エンジニアでなくても理解しやすい。これがZapierのシンプルな「トリガー→アクション」方式との最大の差分だ。
Makeの登録と基本操作
登録はメールアドレスのみで完了する。クレジットカード不要で無料プランが使える。
アカウント作成の手順
- Make公式サイトにアクセスし「Get started free」をクリック
- メールアドレスとパスワードを入力して登録
- 確認メールのリンクをクリックしてアクティベート
- 国・組織名を入力してダッシュボードへ
ダッシュボードに入ると「シナリオ」と呼ばれる自動化フローの一覧画面が表示される。左メニューから「Connections」でアプリ連携の管理、「Templates」でよく使う自動化パターンのテンプレート確認ができる。
最初のシナリオを作る
ここでは「Googleフォームへの回答を自動でスプレッドシートに追記し、同時にSlackに通知する」シナリオを例にとる。
Step 1: 新規シナリオ作成
「Create a new scenario」をクリック。キャンバスに丸いアイコンが表示されるので、プラスボタンを押してモジュール(アプリ)を追加する。
Step 2: トリガーを設定
「Google Sheets」を選択し「Watch Rows」(新しい行を監視)を選ぶ。Googleアカウントと連携し、対象のスプレッドシートとシートを指定する。
Step 3: アクションを追加
キャンバス上でモジュールの右にある「+」をクリックしてSlackモジュールを追加。「Create a Message」を選択してチャンネルとメッセージ内容を設定する。
メッセージ内容には「変数」を使える。前のモジュールで取得したデータをテキストに埋め込めるのがMakeの強みで、「{{1.Name}}」のような形でGoogleシートの列名を参照できる。
Step 4: 有効化して確認
右下の「Run once」で1回テスト実行。問題なければスケジュールを設定してシナリオをオンにする。
副業・個人事業主に特に便利なシナリオ例
Makeは「定形作業を減らす」のに特化している。以下は個人事業主・副業層にとく効果的なシナリオだ。
クライアント問い合わせ自動仕分け
Gmailに届いたクライアントからのメールを件名のキーワードで分類してNotionのデータベースに自動追記する。
- Gmail「Watch Emails」で新着メールを監視
- テキスト判定モジュールで「見積もり依頼」「納品」などのキーワードを検出
- Notionの「Add a Database Item」で案件管理DBに追加
- Slackまたはメールで自分に通知
一度設定すれば、毎日届くメールを手動で確認・転記する手間が完全になくなる。
請求書自動送信
毎月の請求日にNotionのクライアントリストを読み込み、Google DriveのPDFをGmailで自動送信する。
- Makeのスケジュール機能(毎月25日など)をトリガーに設定
- Notionから当月請求対象のクライアントを取得
- Google DriveのPDFリンクをGmailで送信
CFO代わりになる強力な仕組みだ。
SNS投稿の自動スケジュール
Notionに書いたSNS投稿草稿を、指定日時になったら自動でX(Twitter)やInstagramに投稿する。
- Notionの「Watch Database Items」でステータス変化を監視
- 投稿日時のプロパティが現在時刻を過ぎたら実行
- Twitter APIまたはInstagram Graph APIで投稿
コンテンツを事前にまとめて書いておくだけで、毎日の投稿作業がゼロになる。
Makeの有料プランへのアップグレードタイミング
無料プランの制限は「月1,000オペレーション」と「1シナリオあたり2ステップまで(条件:最小インターバル15分)」だ。
副業で本格的に使い始めるなら、月$9のCoreプランがおすすめ。オペレーションが月10,000に増え、シナリオ数の制限も解消される。
目安として「毎日5〜10回実行する複数のシナリオがある」「条件分岐や複数ステップを使いたい」という段階でアップグレードを検討するとよい。
よくある質問
プログラミングの知識は必要ですか?
基本的な操作はノーコードで完結できます。ただし、APIのJSON形式を理解できると設定の幅が大きく広がります。最初の数シナリオはテンプレートを流用するのが最も早い学習方法です。
ZapierからMakeに乗り換えるメリットはありますか?
価格の差が最大のメリットです。Zapierの同等プランと比べてMakeは半額以下で使えるケースが多く、視覚的なフロー設計も直感的です。ただしZapierの方がアプリのコネクターが多いため、連携したいアプリがMakeに対応しているか先に確認してください。
セキュリティは安全ですか?
MakeはGDPR準拠のサービスで、データはEUサーバーで管理されています。APIキーや認証情報はMakeの暗号化ストレージに保存されます。ただし機密性の高いデータを扱う場合は、セルフホスト型のn8nも選択肢になります。
無料プランでどのくらいの自動化ができますか?
月1,000オペレーション+シナリオ数無制限(無料)なので、毎日1〜2個の短いシナリオを動かす程度なら十分です。たとえば「毎日朝9時にRSSフィードをチェックしてSlackに通知する」程度なら月30オペレーションで収まります。
まとめ
Makeは「プログラミングなしで自動化したい個人事業主・副業者」にとって、現時点で最もコスパが高いツールだ。
まずは無料プランで「毎日やっている定形作業」を1つだけ自動化してみることをすすめる。1本のシナリオを動かせれば、そこから応用が一気に広がる。
ZapierやIFTTTを使ったことがある方なら1〜2時間で最初のシナリオを完成させることができるはずだ。副業の作業時間を「稼ぐ活動」に集中させるためのインフラとして、Makeを取り入れてみてほしい。
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